皆さんは猫の寿命はいくつぐらいだと思いますか?
犬・猫の平均寿命は年々伸びています。
日本ペットフード協会による平成27年度全国犬猫飼育実態調査結果によると、犬全体の平均寿命は14.85歳、猫全体の平均寿命は15.75歳と発表されました。
更に、嬉しいことに東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授は「3年後に猫の寿命は倍に伸びる」と述べています。
「3年後に猫の寿命は倍近くに延びます」
東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授は淀みなく言い切った。穏やかだった研究室の空気がにわかに張り詰めていく。息をのむ記者に宮崎教授は、「飼育猫は今、15歳前後で死んでいきますから、30歳程度まで生きられるようになる、ということですね」と噛み砕いて説明してくれた。
この技術は猫の平均寿命を30歳にまで延ばす「教科書を書き直す」大発見です。
この技術が応用されるまで、私たちにできることは、2020年まで腎臓病になるリスクを減らすことです。
猫が長生きすると言われてる、猫の寿命を延ばすために私たちにできることを考えていきたいと思います。
優先順位の高い順に紹介していきます。
室内飼いにして外に出さない
さきほどの日本ペットフード協会による調査の結果、実は続きがあります。
室内外の猫ちゃんは、家の外にでる猫ちゃんよりも2歳長生きということがわかったのです。
室内外の猫ちゃんの平均寿命は16.40歳、家の外に出る猫ちゃんの平均寿命は14.22歳です。
猫を長生きさせるには「室内外」が必須とも言えるかもしれません。
外に出ると病気や怪我をする危険性も増える上に、車に引かれたり、人にいたずらをされたりと猫にとって危険がいっぱいです。
猫は行動範囲が狭い生き物なので、お家の中でも十分満足して暮らすことができるのです。
しかし、お外に出たいという気持ちが強い猫ちゃんはストレスが溜まってしまうかもしれません。
そういう時は紐を付けて一緒にお散歩すれば良いので、基本的に愛猫を長生きさせたいのであれば室内外は必須といえるでしょう。
信頼できる動物病院を見つける
日本の獣医学・獣医療というのはまだ始まったばかりです。私の経験ですが、猫の体調が悪くなったときに4軒動物病院を周りましたが全て診断結果が違いました。
人間と同じで信頼できる獣医師を見つけるのはとても大切になります。体調が悪くなった時など人間と同じように診療してもらえると、すぐに異変に気づくことができますので結果的に長生きに繋がります。
家の近くに信頼できる動物病院があれば最も良いですが、ただ近いからという理由だけで選んでいると、本当は助かるはずだったペットの命も助からないといったことも十分にありえますし、そういう経験がある方は多いです。
では信頼できる動物病院はどうやって見つければ良いのでしょうか?今までの私の経験から、良い動物病院の見つけ方のポイントをお教えいたします。
良い動物病院のPOINT
- 電話や受付の対応が良い
- 院内が清潔・雰囲気が良い
- ホームページがしっかりしている
- ネットで調べた時の口コミや評判が良い
- 治療方法について分かりやすく説明してくれる
- 医療費の明細や見積もりを正確に出してくれる
- 飼育相談にも乗ってくれる
- 救急・時間外診療に対応している
- セカンドオピニオンに応じてくれる
水を飲ませてあげる(水分量の多いキャットフードを主食にする)
猫の死因の上位に入るのが「腎臓病」です。腎臓は壊れると二度と元には戻りません。緩やかな死を意味する恐ろしい病気です。
ペット保険の大手「アニコム損害保険」の調べによると猫の死亡原因のトップは泌尿器が22.9%、泌尿器疾患のうち最も多いのは腎不全で48.7%となっています。
猫の延命の鍵は、腎機能の維持が大切ということがわかります。
また、アニコム損保の調査によれば腎臓病の羅漢率が急激に上昇する年齢は6歳以降というデータも発表されています。
ではこの腎臓病を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。人間の腎臓病は塩分のとりすぎや、高血圧症や糖尿病が原因になることが多いと言われています。
しかし、猫は総合栄養食であるキャットフードを食べている限り、極端に食事のバランスが崩れることは滅多にありません。
では、他にどの要因が考えられるのでしょうか?
一説では、飲水量が少ないため、濃縮した尿を生成する際に腎臓に負担が掛かるのではないかと言われています。
現在人間と暮らしている猫の祖先はリピアヤマネコと呼ばれる砂漠で生活していた猫がルーツといわれています。そのため、少ない飲水量でも暮らすことができるのです。
ですから気持ち多めに猫が水を飲めるような環境を作ってあげることが大切だと言われています。
ドライフードだけでなくウェットフードを定期的に与えるなどの工夫も必要です。また、水分量の多いキャットフードを主食にすることで常に水分量をケアする必要が無いのでおすすめです。
猫にとって害になるものを与えない
猫にとって危険な植物は700種類以上あります。
例えば、ユリは猫にとって死に至るほどの猛毒であると言われていますが、葉・花・花粉・根の全てが猫にとって猛毒で、一口かじっただけで腎機能が破壊され死んでしまう猫もいるそうです。
ユリの葉をかじっても急いで動物病院につれていければ最悪死は免れることができるかもしれませんが、かじったことに気づくのはなかなか難しいですよね。
ユリのように一口かじって死ぬような猛毒の植物は珍しいと思いますが、日常的に毒性のあるものを口にしていると徐々に身体の機能が蝕まれてしまうでしょう。
猫を飼っているのであればなるべく植物を置かないことが大切です。
猫にとって危険と言われている植物
アイビー、スズラン、ポトス、チョウセナサガオ、ゴクラクチョウカ、トマト、ジンチョウゲ、カラー、ポイセンチア、スパティフィラム、アロエ、ディフェンバキア、ヒヤシンス、アサガオ、スイセン、チューリップ、キキョウ、シクラメン、オシロイバナ、ヒガンバナ
猫の性格を理解してストレスを軽減させる
最近はストレスに関する研究が進んでおり、人にとってのストレスは必ずしも悪ではないということが分かってきました。
ストレスは避けるものではなく、受け入れてうまく付き合うものなのです。そうすることによって耐性が付き、身体の反応がかわりストレスホルモンの分泌が変わるというのです。
詳しくはスタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガル氏の「スタンフォードの自分を変える教室」を読んでみて下さい。
では、猫にとってストレスというのはどういうものなのでしょうか。猫にとってのストレスは免疫力を低下させ、猫風邪や胃腸症、膀胱炎や突発性尿路結石といった泌尿器系の発病率を高めるとされています。飼われている猫は私たち人間と違って好きなものを食べることもできませんし、自由に外にでることもできません。
発病率が高まるという統計がある以上、猫を長生きさせたいのであれば完全にストレスフリーな環境を作ってあげることが理想でしょう。しかしそれは難しいと思うので、日常に潜む猫のストレスを私達が理解して少しずつ減らしてあげることが長生きさせるコツです。
何か不満があったり、エネルギーを発散させたいときは家の中をダッシュで走り回ったり、自分を慰めるようにグルーミングしたりと猫もストレスをコントロールしていることがわかります。
痩せ気味、肥満気味にならないようにする
室内飼いの猫ちゃんは毎日横になって動かなくなる時間が増えるので肥満気味になってしまうそうです。
ついつい喜んで食べちゃうから餌を上げすぎちゃうという方も、あげすぎないようにきをつけてください。
適度な運動をさせる
室内飼いの猫に多いのが運動不足による筋力低下です。
猫はおもちゃで遊ぶことが大好きですから、ねこじゃらしなどでたまには遊んであげましょう。
猫は横移動よりも縦移動が重要です。基本的に高いところが好きですから、キャットタワーを設置してあげると喜ぶかもしれません。ただし家の中に見慣れないものがあるとストレスを感じてしまったりするので、キャットタワーを設置するタイミングや猫ちゃんの性格に注意しましょう。
好奇心旺盛な猫ちゃんならすぐに馴染んで遊びだすと思います。
まとめ
このように猫の寿命を延ばすための方法は沢山ありますが、最も大切なことは毎日の食事に気を使ってあげることです。
美味しいご飯を食べることは猫にとって最たる楽しみになりますし、水分量やリンとカルシウムのバランスが良い無添加のキャットフードをあげることが腎臓病のリスクを軽減することにも繋がります。